感謝

 

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、これまで私たちは息をひそめるような暮らしをしいられてきました。
外出を制限され・休業要請など、日夜自由が奪われ、不安が押し寄せる中、終息は誰にもわからず、もうしばらくの辛抱といいきかせながら過ごしています。

元の日常に戻れることを願い、みんなが協力し合って、苦しいながらも耐えしのぎ、助け合い、頑張っているのが今日であります。
いかに、これまでの当たり前の平穏な日々が尊く、有難く感じられるか、くしくも実感させられるお互いではないでしょうか。

私たちの生活を支えてくれていた当たり前の物。
それは生活整理用品、特にマスク一つをみても、極度に不足した今回などは、奪い合うように店に殺到し、私さえよければと買い占める人、分け合うことを忘れた人々を目の当たりにし、不快な思いをしながらも、それでも一つでも自分にありつけた時の喜び、有り難さを実感した方も少なくはないでしょう。

私は「充溢はまどろみであり、喪失は目覚めである」とう言葉思い浮かべました。

残念ながら私たちは、豊富な物に囲まれて生活していると、食べ物一つにしても、つい物の生命を粗末にし、その有り難みを軽視し、いざ欠乏状態になると、誰もがその稀少価値を大事にしはじめ、しみじみとその物の有り難さを再認識し、あらためて感謝の気持ちがわいてくるものです。

だから、自粛中、この度の出来事を教訓として、自分が失って気づいたものを今一度振り返り、「ありがとう」に目覚めていくことが大切なのではないでしょうか。

私たちは、決して自分一人の力では生きられませんし、今もなお、リスクを背負い、一生懸命協力し合い、立ち向かい、大切な命を守るため日々尽力されている方々に多くの人々が支えられています。

せめて多くの人や物に支えられ、生かされていることを尊び、互いに支えあい感謝の言葉をかけあうことが出来れば、先は見えないけれども、心はきっと明るく豊かになって、心穏やかな感謝の生活に通じていくと信じます。

「ありがとう」感謝の気持ちを決して失わず、周りの人々と励ましの言葉をかけあい、暗いトンネルもいつか抜け出せると願い、この先も支えあいながら乗り切ってまいりたいものです。