素敵な笑顔で

今回は「こんなときこそ素敵な笑顔で」と題しまして、お話をいたします。

先行きの見えない、息苦しい毎日が続いています。
このようなときこそ、暖かな笑顔で身近にいる隣人に接したいとおもいます。

以前、ご法事の会場で素敵な笑顔のご婦人と出会いました。
その方はとっても素敵な笑顔をしていました。
「とっても素敵な笑顔ですね」と話しかけると、ニコッとしながら
「ありがとうね」と返された。その方は7人兄弟だったそうです。
「私が最後まで残ってしまった、
長生きすることはさびしいこと」と、ぽつりと語られました。
「何が一番さびしいかというと、もう昔話ができる兄弟や友達がいなくなりました。笑いながら昔話ができる相手がいない、それが一番さびしい、でも、今こうして私は長生きさせてもらっているから、先に亡くなった兄弟や友人と、今私を支えて下さっている方々へ感謝しながらいきているのよ。」とかたられました。

隣に座っていた、ご家族のお話では戦後、満州から私たち兄弟を連れて、危ないからと、男の格好をして、逃げるように日本に帰ってきたそうです。それからの生活は楽ではなく朝早くから夜遅くまで、働き、子供たちを育てたそうです。時には、男の人に交じって、河川工事をてつだったり、畑でできた野菜をリヤカーに乗せて売り歩いたり、自分の食べる分を、ひもじいと泣いている隣の子供に分け与えたり…
しかし どんな時でも、笑顔と感謝の言葉を忘れない母親です。と、話してくれました。

とっても素敵な、優しさに満ちた表情をみながら、なぜそのような素敵な笑顔ができるのか分かったきがしました。
長い長い年月の積み重ねだったのです。

時間すれば10分に満たない短い時間でしたが、今でもその笑顔が眼に焼きついています。

「こんんな時こそ素敵な笑顔で」

どうぞ、皆様の人生が豊かなものになりますように。

南無釈迦牟尼仏

南無釈迦牟尼仏