冷暖自知(れいだんじち)

さて、今回は冷暖自知という禅の言葉を紹介させていただきます。
冷暖は冷たい、暖かい、自知は自分で知ると書きます。例えば、
飲み物がどのくらい温かいか冷たいか、いくら他人から聞いても、
自分にとってどうかは分かりません。自分で飲んでみれば簡単に分かることですが、
実際に飲んでみなければ分からないのです。
最近は何か始めるときにはまずインターネットで調べるということも多いかと思います。そして、
いつの間にか、それだけで分かった気になってしまいます。
しかし、頭で分かるということと会得するということは違います。
泳ぎ方をいくら言葉で説明を受け、理論として理解しても、泳げるようにはなりません。
体に力が必要以上に入っていると上手く浮くことさえできません。
頭でっかちになっていると必要以上に力が入って上手く浮くことさえできません。
必死にもがいて、ふと力が抜けると体が自然と浮きます。
自分でやってみて、その体験を通してしか身に付かないものがあるのだということを忘れてはいけないと思います。
確かに先人に学ぶということは大切だと思います。しかし、自分で実際にやっていかなければ、
先人の知識は所詮、借り物でしかなく、表面的なものしか理解できないことになります。
実践する、歩みを続ける中で、見えてくるものを大切にしたいものです。