聖護寺

先日、私のお寺の観音講の研修旅行で念願の聖護寺様に拝登させていただきました。

聖護寺は熊本県菊池の山奥。
大智禅師が約680年前に建てられた禪の聖地であります。
大智禅師が20年もの間坐禅修行された後、数代続き、500年以上廃寺となりましたが、
復興尽力され今日に至っています。

私が最初に訪れたのは十数年前ですが衝撃をうけました。
永平寺での修行仲間が瑞応寺専門僧堂に2回目の修行で、
聖護寺に派遣されていることを聞きつけ、会いにいきました。

鳳儀という集落から車一台ギリギリやっと通れる悪路を2キロほど、
心配しながら上がっていくとたどり着きました。
正に深山幽谷、堂々とたたずむ天空の城の雰囲気でした。
当たり前にある電気、ガスもない俗世間から一切隔離され、
修行に明け暮れるしかない場所でありました。「昔の人はすごい」正直に思いました。
現在は残念ながら修行僧の減少のため老僧お一人で守っておられました。
国際禪道場として機能もできなくなり、訪れる人もほとんどないということでした。
また忘れ去られようとしています。本当に悲しくもったいなぁと思いました。

現代社会は人、モノ、お金が、あふれているところがもてはやされています。
そして特に都会など多くの人、モノ、お金が集まる所で感染症も
拡大し、精神的な病等も増え続けています。

永平寺を開かれた道元禅師をはじめ、宝慶寺の寂円禅師、永光寺の瑩山禅師、聖護寺の大智禅師、
立派な方々は、皆それから離れ田舎の大自然と共に坐禅修行をして、閑に命にむきあってきました。

私たちもこういうご時世だからこそ今一度その生き方、坐禅を見習うべきではないでしょうか。
そういった聖地が見直され大事にされることを切に願います。