お釈迦様の声と姿と
日本は、この冬例年にない大寒波に見舞われました。いや、現在も日本海沿岸を中心に大雪となり道路の通行が妨げられたり大事故となったり、車の中に何時間も閉じ込められたり、さらに雪下ろしの最中、雪による死亡事故や大怪我などテレビの映像を見ながら、何とかならないものだろうかと祈るばかりです。
地方の高齢化は著しく進み、屋根に積もった雪を下ろす若者の手が足りず、高齢でも危険を承知で雪かきをしなくてはならない状況が続いています。特に新潟や群馬と東北地方の9つの降雪観測地点でも200センチを超えました。これらの地点では、平年と比べて2倍から4倍ほどの雪の量が降ったことになります。記録的な大雪となっているのです。
この大雪の原因となっているのが地球の温暖化による海水温の上昇です。たった1~2度高い程度でも海の生態系に変化をもたらしてしまいます。氷温が高いと雪になるのは、気温と海水の温度差が大きく、雨雲が発生しやすくなるそうです。冬場の気温が低い時期に海水が高いと、その温度が大きく大雪の可能性が高まるとのことです。
地球環境を考え、一人一人が環境にやさしい小さいことから実行して、それを長い時間積み重ねていく他、道は無いのです。身近なことでは、エコバック運動も広がり、分別ゴミ等の習慣も定着してきています。しかし、環境の問題は世界的規模で考えなくてはなりません。「私1人が実践しても」「こんな小さな事くらい」と思ってしまうのは当たり前のことです。
しかし、長い時間をかけて壊された自然環境を、元に戻すには長い時間がかかるのは当然のことです。目の前の小さい環境の問題に、優しい行動を取れるかと言うことになります。曹洞宗の開祖道元禅師様は「峰の色 渓の響きもみなながら 我が釈迦牟尼の声と姿と」「峰の色 渓の響きもみなながら 我が釈迦牟尼の声と姿と」とお詠みになられました。大本山永平寺は、山深いところにあります。峰の色をお釈迦様の御姿と感じ渓のせせらぎをお釈迦様のお声と感じられておられたのです。それと同時に、大自然の姿が仏の姿でありみ教えであるとお示しくださいました。大自然と私の命は別のものではなく、一つであるということに目覚めることが一番大事なことです。
便利社会に流されている昨今、頭でわかっていても小さい行動を起こす事ってなかなか難しいですね。でも、今ならまだ間に合う筈です。