降誕会
4月8日はお釈迦様の誕生日の降誕会、花まつりです。
これは自分自身を含め、全ての命の誕生をお祝いする日です。
全ての出産は命懸けです。
実際にお釈迦様のお母様、摩耶夫人は出産7日後に命を失ったと伝えられています。
私たちはお祝いすると同時に「生んでくれてありがとう」と今在る命に
感謝すべき日であると思います。
私の娘の誕生もやはり大変でした。
5年前、突然につれあいが重症の高血圧妊娠症のため九大病院に救急搬送されました。
お腹の子は28週目でしたが、育ちが悪く、心音も弱っていて
このままでは母子共に危険だと伝えられました。
手術は成功しましたが491グラムという超低体重児で心臓にも大きな穴がありました。
NICU(新生児集中治療室)に半年近くいました。
24時間交代で診ていただき本当にありがたいことでした。
初めて娘を見たときは正直怖かったです。
「いのちとはものすごい」
それに尽きました。しかし、みんなお母さんのお腹の中では同じで、
その血肉骨髄をいただいて大きくなったのです。
最初は人工呼吸器のため泣くこともミルクを自分で飲むこともできませんでした。
1日、ミルク0,5グラムを8回、胃に直接管で流し込む。そこから始まりました。
心臓の穴の影響も重なり肺が特に未熟なので、呼吸がうまくいきません。
そうなるとミルクの消化もうんちもおしっこも全てうまくいかなくなります。
病院に行ってまず看護師さんに確認するのはそのことで、うんちがでただけで夫婦バンザイでした。
呼吸、息づかいの奇跡。誰もが心臓が動いて息づいている。ただ生きている。
これがどれほど素晴らしいか。
当たり前のことなんてなにひとつない。
今のこの息づかいがいのちであり、ほとけともいうのです。
入院中、感染症のため生存の確率が半々だと言われたこともありました。
今、成長はゆっくりですがおかげさまで五歳になりました。
心臓、ダウン症等たくさんの障害でも明るく元気に頑張っています。その笑顔に癒され本当にしあわせです。
「天上天下唯我独尊」全てのいのちは唯一無ニで尊い。
ご縁によって生かされている。心からそう思います。
「生まれてくれてありがとう」
「生んでくれてありがとう」
花まつりだけでなく日々そういう生き方で共にありたい。