言葉の持つ力
今回は「言葉の持つ力」と題しましてお話しをさせて頂きます。
世界中で新型コロナウイルスが今なお蔓延しており収束の気配がみえません。
コロナ禍以前と比べると、どうしても我慢することや制限されることがあるかと思います。
私がお参りをさせて頂いているお寺でも、
感染予防の為に行事や法要が例年通りには行えずにいます。
その中で新しいお寺のあり方を模索する機会が増えましたが、中々納得の出来る答えが見つからず、
不安になることもあり、心が折れそうになります。
そんな時にお檀家様のお言葉で救われたことがありました。
「毎月の月命日のお参りは今まで通りよろしくね」
「和尚さんのお経や御詠歌を聴くと心が落ち着きました」
と言って頂き、とても嬉しく清々しい気持ちになりました。
言葉の持つ力というのはそれほど大きなものなのです。
永平寺を御開きになりました道元禅師様は、そのような思いやりを
持った優しい言葉を「愛語」という御教えでお示しです。
愛語の愛は愛情の愛、愛語の語は日本語の語です。
愛語には、相手に寄り添い心を満たし、どんな困難をも乗り越えさせてくれる力があるのです。
私は地方にある温泉観光都市に住んでおり、観光業に従事している市民も多く、
新型コロナウイルスの影響で、身につまされるお話を頂くことも多くあります。
お檀家様のお言葉で私は救われました。
今度は私が「愛語」の力を信じて、縁ある皆様の心が少しでも清々しく、
温かくあるようにと思いお話をさせて頂いております。
この「愛語」という御教えにより、皆様の心と心をつなぎ、
お互いが安心して暮らせる世の中になるように思い続けることが大事です。
私は自分自身にそう言い聞かせ、毎日を精進しています。