『花まつりに心を寄せて』


4/8 はお釈迦様の誕生を祝う「花まつり」ですね。
 全国的にも春の便りが届き、桜をはじめ、たくさんの花々が
咲きほこり、何だか心も温かく過ごせている方も多いかと思います。

 先日、お寺の草刈をしていたところ、レンゲソウが可愛らしく道端に
群れて咲いていました。法要の準備での草刈でしたが、
咲き誇る姿が愛おしくて、そこは残して作業を進めました。

 お花は咲いて種を残し、命を次に託すことを喜びとしている。という風に気づくと…
ふと、私は自分というエネルギーを様々な言葉や行動にかえて伝え、そして皆さんに
幸せと豊かさを実感して頂くことを喜びとしている。と、お花からのメッセージにそう答えました。
草刈での一瞬の出来事でしたが、時間の感覚を超えて、深く自然と繋がったひと時でした。

 考え事、心配事や妄想など揺れ動く心は、日々常に無意識にやっていることですね。
しかも、それは、すごく速い速度で、その考え事は切り替わっていく。
又はイメージが膨らんでいきます。

 お釈迦様はその切り替わりの速度を「刹那」という言葉で教えています。
脳科学では人間のまばたき一回の1/20 という速さで考えが切り替わるというデータもあります。
そして一日に多い方は6 万回も考え事を切り替えているという一例もあるくらいです。

 それは人間の習性でありますから、辞めることも否定もできませんし、
断ち切ることもないのです。
ただ、その思考の内容で自分が寂しくなったり、怒ったり、
誰かを否定や恨みへと向かうことに問題があります。
更に私たちは思考の癖で物事を二つに分けて考えるという
「二元論」がベースにある方が多いのではないでしょうか?

 簡単にいうと「善悪」「多い少ない」「私が正しい、相手が間違っている」
という考えや思いなどです。
そこで出る答は自分を守り、正義とする。又は都合の良いほうを選ぶこと。
これも人間の習性ですから、仏心はそれを大いなる慈悲の心で瞬間に許してくれます。
が、それを果たして言葉や行動に移しても相手は受け入れてくれるか?喜ぶか?わかりませんよね。
それに気づいて自分に「待った」をかれれば良いのですが…

 どちらの道を選べば、「私や相手は喜ぶか?」という「思考の癖」を気にかけてみませんか?
自分や周りが明るくなり、豊かな空間が身と心、そして目の前に広がりますよ。
まさに「花まつりの」祝福に併せて、自分もそして関わる方々にも「祝福」をめぐらし、
それぞれの花を咲かすこと。
この菩薩様のような行いと心を、この「花まつり」に寄せて、気づきをお伝えさせていただきました。

 ありがとうございました。