定数と変数

今回は私が理系大学出身の友人から聞いた数学の話から始めさせていただきます。皆さまは方程式や数式などを解く時に使う「定数」と「変数」と言う言葉をお聞きになった事はないでしょうか?

定数とは、値が変化しないもの定まっているもの 変数とは、値が変化するもの定まっていないもの の事を言うそうです。

関数の数式において、例えば「y= a   x²」

の場合はx  とyが変数でaが定数となるそうです…が…正直なところ文系人間で数学から離れた私としては忘れてしまったことも多くあまりピンと来ませんでした。ですが優しく言うと、定数は自分では変える事が出来ないもの、変数は自分で変える事が出来るものと解釈していいとのことでした。

そしてその友人曰くこの定数と変数の考え方は、数学の中だけでなく私たち実社会に於いても大変役に立つとの事でした。

それは、私たちが生活していく上ではどうしても自分で変えられないもの、または自分で変える事が出来るものが存在していて、それをきちんと把握し上手に活用できれば仕事や生活の無駄を省けるという事らしいのです。

つまり、仕事をする上や何か問題を解決しようとした時、自分が何をコントロール出来て何をコントロール出来ないのかを見極めることが大切で、動かす事の出来ない定数に拘り続けていれば無駄な労力や時間を費やすだけの結果になってしまいます、しかし自分が変える事の出来る変数を見つけそこに時間を掛ける事が出来ればはるかに効率的に物事を進めることが可能になると言う事でした。

この話を聞いて、数学の知識を実生活に応用しているところなど理数系の人達は考え方も流石だし面白いなと思っていたのですが、後日ふと思い当たる事がありました。

私の好きな言葉に、とある和尚様からお聞きした「起こった事が人生を変えるものではない、起こった事をどう捉えるかで人生は変わる」と言うものがあります。

なんとここにも定数と変数が隠れていたのです!起こった事実は定数で、どう捉えるかは変数なのですね。

起こった事は事実ですし既に過去のものですから自分では変えようがありません。しかし起こった事をどう捉えるかは自分自身で決める事が出来るということです。

ありのままを受け入れながらも自分らしく前向きに生きていくことを優しく後押しして下さるような有難い和尚様のお言葉と友人の数学に関しての話に共通点がある事に驚きましたが、仏法も数学も真理を現わしているのですから共通点があっても当然なのかもしれません。

変わらないものと変えられるものを見極めながら、起こってしまった事に執着せず前向きに捉えて生きる。これが人生を有意義に過ごして行くための、幸せの方程式なのかもしれませんね。