「お経って、な〜に?」
先日、私が住んでいる地域に台風がやってきました。久々の強い台風。進路予想図では直撃する可能性が高い。家族大慌てで、戸締まり、2日分程度の食料品の確保など台風対策を致しました。
そんな台風の中、私はいつもと同じように身支度を済ませ、朝のお勤めを行ないました。ただしその日は、早くこの台風が過ぎ去ってくれること、被害が最小限で、地域の方が無事でいることを願いお経を上げました。
以前、小学生の男の子からこんな質問を受けました。
「お坊さん、お経って、な〜に?」
私は、この質問にこう答えました。
「お経はね、生きているみんなへの応援歌なんだよ。」
勿論お経は、亡くなられた方、ご先祖様などを供養するために読まれるものです。しかし、それだけではないのです。
お経には、お釈迦様のみ教えがいっぱい詰まっています。そのみ教えとは、私たちが心穏やかに、幸せに生きる為にはどうすべきかという有り難いお言葉です。
だから、私たちはお経を聞いたり、一緒にお唱えすることで、お釈迦様のみ教えをまもり、みんなで支え合うことをその都度、誓うのです。生きている自分自身をお経によって鼓舞するのです。
近年、具常気象により世界各地で、自然災害が多発しています。そのほかにも、私たちの頭を悩ませる問題は沢山存在します。どんな状況にあっても、私たちは前を向いて生きていかなくてはなりません。折れそうな心を元に戻すには、静かに座り、手を合わせ、折ること。お経を唱え、お釈迦様のみ教えを学び、行動に移すこと。そうやって自分も、周りも励まして生きていくのです。
お軽は数多くあり、それぞれに意味があります。興味のある方は、調べたり、お坊さんに聞いていただけると、仏教をより楽しく学ぶことが出来ると思います。
「お極は生きているみんなの応援歌」、これからお経を耳にする時、心静かにしていれば、聞こえてくるかもしれません。
お釈迦様の「がんばれーがんばれー」という声が。