チーン!ポン!ジャラン!
チーン!ポン!ジャラン!
曹洞宗のお葬式において皆様が良くお聞きする音ではないでしょうか。
小さなお鈴みたいなもの、手馨で鳴らすチーン。太鼓、鼓で鳴らすポン!シンバルのような鈸(鉢)で鳴らすジャラン。あれは一体何をしているんだろう?どんな意味があるんだろう?と思ったことはないでしょうか。
地域によって少し違ったり諸説ありますがチーン、ポン、ジャラン。を通して今日は曹洞宗のお葬式のことが少しでも伝わればと思います。
お葬式の途中で打ち鳴らされる。チーン、ポン、ジャラン。
これが連続で打ち鳴らされると、なんと!あの世への問が開かれるそうなんですね。そしてもう一度打ち鳴らされると仏様が亡くなった方のお手を引きに来られると言われています。例え故人様がどんな大往生といっても思い出してしまうのは大切なご家族、お友達、地域の人たち、縁のあった方達。どうしても後ろ髪が引かれるんですね。やっぱりまだ逝きたくない。まだ一緒にいたい。そこでお手伝いをさせてもらうのが私達、僧侶、お坊さん。払子というお馬さんの尻尾のような道具を大きく振って引導を渡します。例えるなら亡くなった方の背中を押してあげる。肩を叩いてあげる。あなたは自分の身をもってその体をもって、残された方達にこの世のはかなさ、無常ということを教える人生最後の大仕事をしています。残されたみんなは大丈夫だから安心してこっちを振り向かないで涅槃の世界への旅を始めてください。と引導法語、つまりお別れの言葉を述べさせていただきます。
そして最後にまたチーン、ポン、ジャランを打ち鳴らしてあの世の門を閉じてお葬式が終わります。
お葬式において、チーン、ポン、ジャラン、が打ち鳴らされ始めたら大切な故人様の旅立ちの時。どうか手を合わせながら、亡き人の姿を思い出しながら、心静かに送っていただければと思います。