道元禅師の教え

 

皆さんはどのような時に宗教を考えることがありますか?多くの方はお葬式やご法事などの時ではないでしょうか? もちろんご先祖様を敬い、供養をするということは、我々仏教徒にとってはとても大切な行いであります。
仏教の教えといいますと難しく感じる方がいらしゃるかと思いますが、実はとても分かりやすく我々の身近に溢れております。
永平寺をお開きになられた道元禅師様はたくさんの教えを残して下さいました。その中心となるのは正法眼蔵です。本日はその中から「愛語」という教えをご紹介したいと思います。
道元禅師様は「愛語」についてこのようにお説きになっております。「相手に対して慈しみの心を持ち、自分の周りにいる人達を自分の子供のように思って言葉が出る時、その言葉は愛語である」
「愛語」は相手に対して慈愛の心を持ち、思いやりのあるやさしい言葉をかけてあげることです。このような言葉が私達の心に残り、私達の日常を支えてくれています。「愛語」の一言一言全てが人々を和ませ、社会を正しい方向へ動かす力となります。
日常生活の中で「ありがとう」と伝える機会があると思います。私は恥ずかしかったり、照れくさかったりして、中々素直に言えませんでした。そんな自分を変えるために日常生活の中で優しく愛情のある言葉遣いを心がけています。少しづつですが、言えるようになりました。

形あるものを人にあたえるといつかはなくなってしまいますが、優しく、愛情のこもった言葉を人にあたえたら必ず心に残ります。相手に喜んでもらうことによって優しい心が増えてゆきます。私達も日頃から自分自身の言葉や態度をよくよく深く考え、「愛語」を実践していくことが出来れば世界が少しづつゆっくりと良い方へ向かってゆくと私は思います。
皆様も、今日から「愛語」の行いをご両親やお子さま、身近な方々に対して行動をすれば明るい日常が築かれ、慈しみに満ちた生活が送られることでしょう。一人一人の小さな行いがとても大きな力になることを私は信じています。