彼岸

今月下旬には春のお彼岸がございます。お彼岸の一週間、いつでも構いませんので、ご先祖様のことを思い、ぜひ手を合わせましょう。彼岸が終われば、年明けから3ヶ月が経過したことになります。もう3ヶ月、まだ3ヶ月、それぞれ人によって感じ方は様々ですが、時間はみんな平等です。この時間を無駄にしない有意義な生き方をするために、私たちはどうすればよいのでしょうか。

大本山永平寺を開かれました道元禅師は、私たちが歩むべき生き方をこうお示しになられました。仏道を学ぶ者は、必ずわずかの時間も惜しまなくてはならない。梅雨のように

はかない命は消えやすい。時はいち早く移っていく。生きているわずかな間に、他のことに関わらず、ただ仏道を学ぶべきである。人生の1日一時間、一瞬を無駄にせず、ただひたすらに仏道を学び、生きていく。とても難しいことのように感じます。

私は最近よく思うことがあります。自分が若かった頃と比べて、年を重ねるごとに一日一日が早く過ぎているような感覚。同じように思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そう思っているのに、朝起きてお参りや用事を済ませ、お寺に戻ると、たまたまつけたテレビに夢中になってしまい、気がつけば1時間、 2時間と時間が経ってしまっている。今日やろうと思っていたことが、後回しになってしまい、何をやっていたのだろうと後悔してしまう。そんな時に、この道元禅師のお言葉を思い出したのです。

道元禅師は、生活そのものが修行であると言われました。洗面、食事、掃除など、朝起きてから寝るまでが修行。日常のすべてのことに心を込め、丁寧に行う。修行時代は常に心がけながら生活していた自分を思い返し、改めて一つ一つのことに。向き合いながら生活を送ることにしました。顔を洗うときは顔を洗うことだけ、食事をするときは食事のことだけ、一つ一つを丁寧に行うことで、心が整えられ、穏やかな毎日を過ごすことができるようになりました。過ぎた時間はもう戻ってはきません。

一瞬も無駄にしない生き方とは、今ここを生き抜くということに尽きるのではないでしょうか。ご先祖様へ手を合わせることは、今ここでしかできないことです。私たちが限られた時間をどう使い、どう生きるか。お彼岸は自分自身の生き方を考える期間です。