洗心

新型コロナウイルスの流行、 世界各地で起こる大規模な災害そして戦争、 今、私たちは多くの問題に直面しています。 なんだか騒がしく不安な毎日の中で心が疲れてはいませんか? 洗心という禅の言葉があります。 読んで字のごとく心を洗うのです。 疲れた心を正常な状態に戻すには、汚れたタオルを洗濯するように心も洗わなければならないのです。では、どのようにして心を洗うのか?まずは自分の心の汚れを知りましょう。 心の汚れとは、自分の心の醜さ、未熟さ、欲深さといったものです。その汚れにしっかりと目を向けることから心の洗濯が始まります。 暗いニュースを目にしたり、自分自身が苦難や困難の状況にあるとき、どうしても人はマイナスの感情というものが現れてしまったりするものです。 なんで自分だけが? あの人はいいよな、そんな弱い心が生まれてしまった自分と向き合うためにも。 心を静かにする時間を作ってみて下さい。

私たち曹洞宗の大切な教えの一つに只管打坐というものがあります。 ただひたすらに座る。 ただひたすらに坐禅をするという意味です。 坐禅の作法やり方など、細かくは割愛しますが、まずは姿勢を正して座ってみましょう。 正座でもあぐらでも椅子に座っても構いません。一日5分でも10分でも家の中の落ち着く場所で静かに座ってみてください。 虫の鳴く声、鳥の鳴く声、風の音、 あわただしい毎日の生活の中では聞こえてこなかったたくさんの自然の音が心地よく耳に入ってきます。 自然に身をまかせ、静かに座ることで普段気づくことができなかった自分というものに気づくことができるのです。

今の自分に気づくことが心の汚れを知ることになり、目を背けずに改めることで心は洗われていくようです。 心穏やかに生きるために毎日心の洗濯を日々洗心。